DELICATE AIR

フレーム状の昆虫の翅をモチーフとしたデザイン。金属であるシルバーの、伸びやかで柔らかい素材の特徴を生かした、 繊細な表現のジュエリーです。空気を含んだように、エレガントなカーブを描く翅の連なりは、身につけると身体のカーブに寄り添うように動きがあり、心地よく軽やかに揺れます。シルバーの僅かに黄色い色調と、布目調に仕上げられた表面は優しい光を放ち、重さを感じさせない細かな透かしのデザインは、まるでレースのように肌に心地よく馴染みます。

また、日本では明確な四季があり、その季節のなかでさまざまに変化してゆく事象を「儚さ」とし、愛でる文化は、日本人らしい感覚のように感じます。一夏で命を終える、昆虫の様を、「儚い」ものの象徴として、モチーフとしました。また、昆虫の羽のフレーム状、もしくは線で構成されている様子は、障子や日本画、アニメの表現とも類似するところがあり、昆虫の羽を、日本らしいモチーフとして選んだ理由にもなっています。

平らで、胴体もない羽の連なりは、ただ展示してあると、昆虫の標本のようであり「死」を喚起させます。しかし、身体に身につけることによって、平らだった連なりに起伏が生まれ、人の動きと連動して、アクセサリーにも動きが生まれ、「生」の表情に変化します。「死」と「生」・「静」と「動」置いたまま展示することと、身につけるという行為により、対照的な変化。

 

GLITTER

表面のテクスチャーは、平らなプレートに、様々な方向で線を入れています。身につけたときに、見える角度が変わると光を受ける場所も変わるので、平らでありながら、少し厚みのあるような、もしくは丸みのあるような、立体の印象があるのがユニークです。また、どのテクスチャーも一つ一つ入れているので、同じものが二つとありません。平らなプレートをキャンバスとして、音楽のようなリズミカルなラインをテクスチャーとして描いています。

天然石である宝石は、世界中に同じものは二つとない、とても希少で個性のあるものである。今回のglitterシリーズも、テクスチャーをそれぞれに入れ同じものがないという作業にすることで、天然石に見る希少性やユニークさを模している。また、宝石(とりわけ透明石)のカットによって、光を受けキラキラ輝く様子を、テクスチャーの方向を変え、光の当たる面で様々な表情を見せることで、模倣できればと思う。

 

LIGHT WAVE

R0017703.JPG
R0017954.JPG
R0017293.JPG

鏡面のシルバーに、柔らかい光の波を感じるラインを入れて。金属は、冷たくて硬いという印象があるが、柔らかい印象の光を感じるようなデザイン。シルバーの輝きがクールではあるが、女性らしいエレガントさを感じる。

 

THERE IS NO DIAMOND

R0016107.JPG
R0016795.JPG
R0017657.JPG

定番のエンゲージリングや、ハーフエタニティ・パヴェリングのデザインで、本来ならダイヤモンドが入る位置が、鏡面の凹面になっています。本来ならダイヤモンドがあるべき場所に、ダイヤモンドはありません。けれども、鏡面である凹面には、身につけることにより、自分を取り囲む様々な景色が映りこみます。自分を取り囲む景色もダイヤモンドのように、美しいのではないだろうか。というコンセプト。磨くと鏡面になるという、金属の特質も生かされています。

 

SNOW ON THE LINE

R0017738.JPG
R0017890.JPG
R0017973.JPG

北海道という地域性を意識したデザイン。平野に新雪が降り積もり、太陽の光が当たった時に、キラキラ輝く様を、直線の上に、キラキラとしたテクスチャーをつけることで表現した。シルバーは、磨くとシルバー色に光るのだが、表面を荒らす(マットにする)と、光り方が白っぽくなる。その白っぽい色になる性質と、雪の様を重ねて。

 

IN THE MIRROR

ペンダントもしくはブローチを身につけ、鏡をのぞくと、アクセサリーの中にメッセージが浮かび上がる。「Who am I ?」「Love」表面に、鏡文字がデザインされていて、鏡をのぞくと、読める文字になり、メッセージや単語が浮かび上がる。日々意識したい言葉、心がけたい事、普段の生活の中でつい忘れがちなことを、鏡を見るたびに思い出すことができる。ペンダントやブローチは、リングなどとは異なり、アクセサリーのアイテムの中でも、自分で眺めるというより人から見られることを、目的としたアイテムである。外に向かって意識されていたアイテムを、自分に向けたものとして変化させた。

 

TSURARA

149A0881.jpg
149A0890.jpg
R0015737.JPG

丸玉の水晶が連なることにより、滴る雫が氷状のつららになった様を表現。透明な水晶は、身につけてもあまり存在感がない。視覚としてあまり存在感のないものが、物質としてそこにある事の存在感。身につけている本人は重量として、ものの存在を感じるのだけど。天然石である水晶は、身につた瞬間は冷たいのだが、徐々に体温で暖まる。溶けるわけではないのだけど、その温度変化が、あたかも氷から水みたいに変化するような感覚でもあるのではないか。バングル・リングなどは、円ではなく四角の形でデザインされている。四角いアイテムはチェーンを通すとペンダントトップにも使える。

 

SUN AND MOON

R0016227.JPG
R0016182.JPG
R0016204.JPG

球が連なり円を構成している。球状の粒は、光の陰影により、まるで石の入っているような表情。そこに表面をマットな仕上げで柔らかい印象に。また、リングの内側は、鏡面仕上げとなっていて、キラキラした光。輪が一つのタイプは、光が中央に集まり、鎖状につながっているものは、動くと、キラキラした光が上品に漏れてきれいである。

 

BUTTERFLY

03.jpg
R0016779.JPG
R0015712.JPG

天然石と蝶のモチーフ。蝶は立体的になっていて、ピアスで耳にとまって、羽を休めているようでもあり、天然石のシリーズでは、石にとまっている様子を表現している。

 

GRUPO

合成_CREATION_01-1(175)-2.jpg
CREATION_01(074)-2.jpg
CREATION_03(143)-2.jpg

鑑賞者は自由に作品を身に着ける事が出来る。このモチーフは、窓のようなフレームから眺める、多くの交差する線、行き交う人、林などに見えます。鑑賞者が外側から眺める景色は傍観であり、そこに自己が含まれないことによる疎外感を喚起させる。しかし、一歩前に踏み出し、これを身に着ける事で、鑑賞者はこのフレームの内側に属する。その行動一つで反転する立場。疎外感に対する、受容・容認が生まれる。ただし、ネックレスは胸元にあり、身に着ける当事者は起こっている事物を自ら目視するのは難しい。自らが内側に入ることで見えなくなってしまう、かつては見えていた光景。作品を身につけた時、視点・立場が変化する。

 

PETALO

R0016882.JPG
R0014581.JPG
R0015097.JPG

桜の花びらモチーフ。花びらの葉脈を抽出した樹木のようなラインに、円い水玉模様を配置する。水玉は、桜の前の季節の冬の雪のようでもある。季節の中間を切り取ったデザイン。

 

TWO MIRRORS

R0016078.JPG
two mirrors(2).JPG
12240932_10208206819194576_1300015833687373512_o.jpg

凹凸二つの鏡面を、ピアスでは左右に身につける。2つは同じ景色を映すが、左右で反転している。